救急ナースマンのつぶやき

救急看護師として奮闘中。医療のこと、看護のことを思うままにつぶやきます。趣味は沖縄、サッカー、お酒!

身体を抑制するということ

身体拘束。

5月頃、摂食障害を持つ女性が、不当な身体拘束をされたと病院を提訴した出来事がありました。

また先日、入院中の患者さんがトイレで転倒され、頭部外傷からそのまま亡くなり、遺族が病院を提訴することがあり、世間では身体拘束の必要性についてフォーカスされるようになりました。

 

身体拘束と聞くと、世間一般的には、患者さんをベッドに括り付けるようなイメージを持たれていますが、それだけではないんですね。

 

そもそも身体拘束ってなんで必要なのか、どのような場合にされるのか。 

そのようなすべての行為に言える目的としては「安全を守る」というところにあります。

 

それは患者さん、家族、そして我々医療者も含めてです。

 

認知症精神疾患、高次機能障害、せん妄などで、患者さん自身で点滴を抜いてしまっり、ベッドから落ちてしまうなど、危険が予想されるシーンが多くあります。それらを未然に防ぐことが必要です。

 

こんなことを言ってしまうと語弊を生むかもしれませんが、末梢静脈路つまり手に入っているような点滴を抜かれてしまっても、いくつかの場合を除き命にはかかることがありません。

 

ですが動脈や中心静脈、挿管チューブ、テンポラリーなど、抜かれてしまうと命に関わるものがたくさんあります。

 また上記のように、転倒して亡くなられてしまうリスクもあります。

 

そのような場合、よし!じゃあ身体拘束だ!とファーストチョイスで患者さんを拘束している訳ではありません。

家族に見守ってもらったり、ナースステーションから近いお部屋に移動し観察しやすくしたり、せん妄予防に夜間入眠できるよう散歩に行ったりと、できる限りの対応策を考えています。

 

その上で、どうしても抑制が必要と判断された場合に身体拘束を行います。

身体拘束にも様々なレベルがあり、低いレベルで言えばベッド柵を増やすなどもあり、できるだけ患者さんの負担を減らすことを考えて行います。

 

そして勤務毎に評価を行い、その必要を考えます。できるだけ外してあげたいと考えているん

です。

 

でも、命に関わるようなことが起きないよう、そして僕たち医療スタッフの安全を保てるようにもしなければいけない。

その狭間でいつもみんなで話し合いながら身体拘束の必要性と向き合っています。

 

それは患者さん一人ひとりと向き合っているからだと思います。

 

皆さんの施設ではどうでしょうか?

最近この話題が多く、一般の方からは身体拘束=悪 のようなイメージがついているようで、少しモヤモヤしている自分がいます。

確かに身体拘束が患者さんに与える悪影響は計り知れません。

 

もちろん僕たちの説明にも誠意が必要ですし、理解をして下さるご家族の方が多いですが。

日々考えさせられますね。

 

身体拘束が患者さんに与えてしまう影響は後日書こうと思います。

 

ゆう