DNAR
DNAR
医療者であれば誰もが耳にしたことがある言葉ですよね。
今日救急外来で働いていて、少し引っかかったことがありました。
他院から重症の呼吸不全の患者さんが搬送されてきました。
ご家族に病状説明、入院説明を終えた若手の先生が、面談室から戻り上級医の先生に「DNARはとっといたんで👍」みたいな軽いテンションで声をかけていました。
急変しても何もしなくていいやーとでも思ったのでしょうか。
尊厳ある人の死。
難しい言葉ではありますが、人生の最後をどのように過ごすか、どのように終えるか、どのように過ごしたいか、生まれてくることと同じぐらい大切なことです。
DNARとは、
Do not attempt resuscitateの略。
病状に救命の可能性が限りなく低く、本人または家族の希望で心肺蘇生を行わないこととされている。
つまり患者さん、ご家族の意思決定に基づくものであり、それを代理で決定している家族にはいろんな思いがこみ上げており、精神的負担もかかっています。
そして何より大事なのは、患者本人がどのように思っているか。
それを決める瞬間というものは、誰か1人の人生の最後を決めるようなことであり、とにかく重要な場面です。
もちろん先ほどの若手医師は上級医に、それは違うだろ?としっかり教えこまれていました。
私のいる救急でも人の死にはよく直面しますが、ある意味慣れなければならないし、慣れてしまってはいけないことですよね。
ゆう